子供や赤ちゃんの熱中症、予防と対策

危険な熱中症

 

 

前述の通り、体温調節ができない状態というのがかなり危険なのです。体温が37℃以上になると体は皮膚の血管を拡張させて血液量を増やし、熱放出をたくさんしようとします。

 

しかし、体温がさらに上昇し、発汗が増えて体内水分量がどんどん減少していくと、今度は心臓や脳を守ろうとして血管は収縮しはじめるのです。それでは熱の放出がいよいよできなくなってしまいます。

 

体温の調整機能がコントロールできなくなるのがこうして熱中症で、体温はどんどん上昇してしまいます。いわゆる機能障害に陥っているのですが、イメージとしては炎天下などで起こりやすそうな感じがしますが、室内で普通に過ごしている時でも結構起こる可能性があり、これが危ないのです。

 

ニュースでも、高齢者が室内で過ごしていて熱中症になり、倒れたというような事例をよく流しています。熱中症は夏だけに起こる病気ではありません。激しいスポーツをする、重労働をした時などは、まったく季節を問わずにいつでも起こり得る病気です。冬に、暖房のよく効いた室内で厚着している人に起こる可能性だってあります。

 

熱中症で自覚症状に乏しいというのがやっかいな点で、自分でちょっと体調が悪い、少し気分が悪いかなと思う程度でも、熱中症がかなり進んでしまっている事例も多いのです。周囲の人から「大丈夫かい?」と訊かれた人が、「大丈夫だ」と答えた後で、すぐに倒れてしまうこともあります。初秋になっても30度になることがありますから、炎天下に長くいる場合などは気をつけなければなりません。